フリーランスの節税制度としてよく紹介される小規模企業共済。私も2020年に加入しましたが、約5年で任意解約しました。この記事では、実際に加入してみて感じたことや、なぜ解約したのか、節税と投資についてプロに取材してきたフリーランスとして率直にお話しします。
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小規模企業共済を任意解約しました
ぼちぼちフリーランス倶楽部の中山です。
先日、小規模企業共済を任意解約しました。
加入していた期間は約5年。
いわゆる「元本割れ」のタイミングでの解約です。
この記事では、
- 小規模企業共済とはどんな制度なのか
- なぜ加入したのか
- なぜ解約したのか
- フリーランスに向いているのか
について、体験ベースで書きます。
小規模企業共済のメリットは?フリーランスの退職金制度
小規模企業共済は、個人事業主や小規模企業経営者のための退職金制度です。
制度を運営しているのは、
中小企業基盤整備機構
です。
特徴は主に3つあります。
掛金が全額所得控除
月1,000円〜70,000円まで掛けられ、
掛金は全額所得控除になります。
将来共済金として受け取れる
廃業・老齢などのタイミングで共済金を受け取れます。
任意解約は元本割れ
20年未満の任意解約では元本割れする仕組みです。
なぜ小規模企業共済に入ったのか
理由はシンプルです。
節税になるから。
利回りはそれほどよくないけれど、長期なら元本割れはないので、
ほかにもしている老後の準備(貯金や投資)のうちの一つのつもりでした。
フリーランス(個人事業主)の節税制度を調べると、必ずこの制度が紹介されています。
- フリーランスの節税
- 個人事業主の節税
こうした記事では、ほぼ必ず上位に出てきます。
実際に、税理士さん(12名)に「イチオシの節税」を聞いたところ、
青色申告に次いで2位の結果でした。
くわしくは、こちらの書籍をどうぞ!
小規模企業共済をやめた3つの理由
① 利回りがインフレに追いつかない
小規模企業共済の実質利回りは、年1%前後。
一方、日本の物価は近年
年2〜3%程度アップしています。
統計は総務省統計局が消費者物価指数としてが公表しています。
つまり、
利回り1%
インフレ3%
の場合、
実質的には資産価値が目減りすることになります。
お金の価値が減っちゃうなら、それを上回る利回りでなければ追いつけないってことですね。
② 元本回復まで20年かかる
小規模企業共済は
20年以上継続しないと元本を超えません。
つまり
- 長く続ける人向け
- 途中解約には向かない
制度です。
私は約5年で解約したため、元本割れでした。
③ 掛金を減らしたら節税効果が小さくなった
新NISAの登場もあり、途中から掛金を
月1万円 → 月1,000円
に変更しました。
すると、
年間掛金
12,000円
仮に税率20%なら、
節税額
2,400円
これでは節税制度としての効果はかなり小さいと感じました。
新NISAの開始も大きな理由
もう一つ大きい理由が新NISAのスタートです。
2024年から始まった新NISAは、
- 運用益非課税
- 非課税期間無期限
という制度。
通常、投資で増えた利益には20%の税金がかります。
たとえば、100万円投資をして105万円になった場合は、
5万円(利益)× 20% = 1万円(税金として徴収)
手に入る利益は、4万円です。
それが、NISA制度を利用すれば税金はかかりません。
利益の5万円がそのまま手に入ります。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
のような全世界株インデックスのこれまでの成績は、
長期平均なら年6〜8%程度。
たとえ月1,000円だとしても、年7%として、15年なら…

「つみたてシュミレーター」金融庁
運用収益は13万円です(小規模企業共済だと1万円)。
もちろん価格変動リスクはありますが、長期で保有すれば資産形成という観点では、
共済より投資の方が合理的
と感じました。
新NISAについては、こちらの記事も参考にしてください!
小規模企業共済がおすすめな人
とはいえ、この制度は悪い制度ではありません。
むしろ次のような人には向いています。
所得が高い人
税率が高いほど節税効果が大きくなります。
20年以上続ける人
退職金制度として使うなら合理的です。
強制的に貯金したい人
投資だと売ってしまう人には向いています。
まとめ:ぼちぼち稼ぎの判断基準はコレ
小規模企業共済は良い制度ではあります。
ただし、
すべてのフリーランスに向いているわけではありません。
私のような稼ぎがぼちぼちの小規模フリーランスの場合は、
- インフレ傾向
- 新NISA開始
- 少額資産運用の優先順位
などを考え、任意解約することにしました。
もともと私は老後の準備には、
- iDeCo
- 貯蓄
- 不動産(持家)
これらを基本にしていました。
小規模共済は節税できるという理由から「一応やっとくか」くらいのごく少額。
それが、インフレと新NISAの登場で、少額といえども、
- インフレ負けする低金利
- 長期資金が拘束される
というマイナスに甘んじるのは精神衛生上よろしくない。
老後まで10年以上ある。
年を取ってからの手間(共済金の請求など)は少ないに越したことはない。
ならば、
「元本割れでも損切りして、他で使おう」
投資は投資、節税は節税、と分けて考えました。
ちなみに、フリーランスの節税第1位(当倶楽部調べ)は、
ダントツで青色申告。
青色申告に必要な会計ソフトの比較記事は、こちらをどうぞ。
節税制度は、「みんなにおすすめ」ではなく「自分に合うかどうか」で考えてみてくださいね!
※制度の詳細
中小企業基盤整備機構
小規模企業共済
文/中山圭子
ぼちぼちフリーランス倶楽部を主宰。書籍の企画・編集・ライティングが主な生業。悩みを解決しながら本が作れる「一石二鳥の企画」が得意。お金の知識を教えるプロ・八木陽子先生に聞いた『新NISAにiDeCo…いろいろあるけどお金のプロは結局、これを選んでる』。その他、『超シンプルな節税と申告、教えてもらいました!』、『超シンプルな青色申告、教えてもらいました!』などの共著あり。





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