持家の減価償却費、経費にする vs 経費にしない、どっちがお得?

「節税はしたいけど面倒はイヤ」な、ぼちぼち稼ぎのずぼらフリーランスによるシンプル帳簿術。今回は、「自宅(持家)で仕事をしているとき、家の減価償却費を経費にするか」、そのメリットとデメリットをプロ(税理士)の意見&AIの回答で解説します。

*本サイトは、amazonアソシエイトに参加しています。紹介している商品・サービス等の外部リンクにはアフィリエイト広告が含まれる場合があります。

フリーランスがやるべき節税1位の青色申告(当倶楽部調べ)。「いちばん分かりやすい本!」と好評の1冊。*イラスト:コジママユコ

控除の入力モレ対策にも!👌 節税の基礎からわかる本はこちら!

【2025年版】確定申告レポートはこちら。↓

スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク

自宅(持家)の減価償却費、大きな節税になるけど…

確定申告シーズンは、『超シンプルな青色申告、教えてもらいました!』読者からのお問い合わせも倍増します。

先日は、自宅(持家)を仕事場にしているフリーランスさんからお問い合わせがありました。

『超シンプルな青色申告…』では、
持家(ローンあり)の減価償却費を経費計上するとき
の仕訳も紹介しています(P.57ほか)。

超シンプルな青色申告、教えてもらいました!』より

家の減価償却費を経費すると大きな節税になるのでご紹介しました。

ただし、メリットだけでなく、デメリットもあります
以下、ご紹介しますので、ご自身の状況に合わせて選ぶことをオススメします。

経費にする? しない? 専門家(税理士)の意見は…

『超シンプルな青色申告…』では、公認会計士でエンジニアでもある藤原道夫さんが開発された青色申告ツール「簡単仕訳帳」(Excelシート)の使い方や青色申告の手順を紹介しています。
この後、兄弟本とも言える節税の本、『超シンプルな節税と申告、教えてもらいました!』を税理士の中野裕哲センセイと刊行、節税や申告について詳しく聞きました。

中野センセイに、持家で仕事をするフリーランスの経費事情についても聞いてみました。

ぼちぼちフリー<br>中山
ぼちぼちフリー
中山

持ち家だった場合、ローン利子や減価償却費なんかも按分して経費にしちゃっていいですよね?

税理士の<br>中野センセイ
税理士の
中野センセイ

ケースバイケースですが、かなり注意が必要です。まず、住宅ローン減税をしている場合は控除を按分しなければなりません。また、売却することになったとき、事業として経費で落としていた分の割合は自宅の売却益に認められている優遇措置が使えなくなります(売却益が経費にしていた分だけ減る)。手間や将来のことなどを考えると、正直、僕はあまりオススメしていません。

超シンプルな節税と申告、教えてもらいました!』より

とのこと!
そんなデメリットがあるとは……。

住宅ローン減税を利用している人、将来売却予定がある人は、注意してください。

持家の減価償却費、4つのメリット&デメリット

検索AIとして大活躍のパーフレキシティAIにも聞いてみたところ、以下のように、くわしく簡潔にまとめてくれました。

【質問】
持家を仕事場にしている個人事業主の場合、家の減価償却費を経費にすることのメリットとデメリットをおしえて。

【回答】
持家を仕事場にしている個人事業主が家の減価償却費を経費にすることには、以下のようなメリットとデメリットがあります。

メリット

  1. 節税効果
    減価償却費を計上することで、所得金額を減少させ、結果として所得税の負担を軽減することができます3
  2. 長期的な経費計上
    購入した固定資産(家)の費用を一度に経費にするのではなく、何年にもわたって減価償却費として計上できるため、利益の安定化につながります3
  3. 開業初期の負担軽減
    事業を始めたばかりの個人事業主にとって、大きな費用を分割して経費計上できることは、初期の財務負担を軽減する効果があります1
  4. 実際の支払いがない年度でも経費計上可能
    減価償却は税法上の仕組みであるため、実際に建物が劣化しているかどうかに関係なく、毎年経費として計上できます5

デメリット

  1. 住宅ローン控除との兼ね合い
    減価償却を行うと、住宅ローン控除が受けられなくなる可能性があります。事業用として使用している部分が50%を超える場合、住宅ローン控除の適用が困難になります4
  2. 計算の複雑さ
    自宅兼事務所の場合、事業用とプライベート用の部分を明確に区分する必要があり、計算が複雑になる可能性があります6
  3. 将来の売却時の影響
    減価償却を行うことで、将来家を売却する際に譲渡所得が増える(税金が増える)可能性があります。これは、減価償却によって取得価額が下がるためです。
  4. 記録管理の負担
    減価償却を正確に行うためには、適切な記録管理が必要となり、これが追加の事務負担となる可能性があります。

個人事業主は、これらのメリットとデメリットを考慮し、自身の事業状況や将来の計画に基づいて、減価償却費を経費として計上するかどうかを慎重に判断する必要があります。また、税理士などの専門家に相談することで、より適切な判断ができるでしょう。

なるほど。
まず、住宅ローン減税を利用していて事業用で50%以上使っている場合は、経費にしないほうがよさそう(住宅ローン減税の節税額が大きい)。

あとは、超ざっくり言うなら、以下のどちらを優先するか、でしょうか。

●経費にする! ⇨ 現在の節税
●経費にしない ⇨ 将来の節税&作業のシンプルさ

中野センセイご指摘のとおり、それぞれの状況によって違うので、気になる人は専門家に相談してみることもオススメします。

このほか、節税と申告について基本をサクッと抑えたい人は『フリーランス・個人事業主の超シンプルな節税と申告、教えてもらいました!』も参考にしてください。

簡単仕訳帳をご利用の方は、こちらのQ&Aもご活用を。

みなさんの節税&申告がスムーズに進むことを祈っております!

文/中山圭子
書籍の企画・編集・ライティングが主な生業。『超シンプルな節税と申告、教えてもらいました!』、『超シンプルな青色申告、教えてもらいました!』など、フリーランスの実務のお助け本の共著あり。
新刊は『新NISAにiDeCo…いろいろあるけどお金のプロは結局、これを選んでる』。

コメント