東京23区内でもともと住んでいた分譲マンション1室を賃貸している「ぼちぼち大家」の鴨庭ナランさんが店子さんの入退去時に遭遇した不動産業界のコワイ話と、それにどう対応して200万円以上を守ったかをレポートします。連載2回目は、「不動産屋さんの選び方、頼み方、つき合い方」の話。
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連載1回目
シロートが不動産業界でカモられないために…【分譲マンション ぼちぼち大家 奮闘記①】
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肝に銘じたい「不動産業者の選び方、頼み方、つき合い方」
こんにちは。
「ぼちぼち大家」の鴨庭ナランです。
現在、東京23区内の分譲マンション1室(2LDK)を自主管理で賃貸しております。
もともと住んでいた持家マンションの1室を貸し出しただけの超スモール大家さんです。
先日経験した、新旧居住者さんの入退去時に遭遇した不動産業界周辺のアレコレを、友人でもある「ぼちぼちフリーランス倶楽部」の中山さんに話したところ、
「面白い! そういう個人規模、素人レベルの人の情報って出てこないから、ぜひ教えて欲しい」
と依頼(原稿料はランチ代)されたのがこの連載をはじめた経緯です。
今回は、私が実際に経験して感じた「不動産業者の選び方、頼み方、つき合い方」についてお話しします。
結論からいいますと、以下の通りです。
部屋を貸し出すにあたって、(家族や知人などに貸す場合以外)一般的に不動産屋さんとのお付き合いは欠かせません。
入居者さんを探すためには、彼らのネットワークのお世話になりますし、家賃相場など募集条件について、こちらが望む形になるようにアドバイスしてもらえることもあります。
それらに「おかげさま」と感謝しながらおつき合いしたいと心から願っております。
一方で、用心しないと、余計なお金を払うなど「こちらに不利なことになりがち」というのも、残念ながら “不動産業界あるある” のようです。
私は、結果として、最初の募集と2度目の募集では、不動産屋さんが変わりました。
その辺からお話していきます。
初めての賃貸は「不動産屋さんにおまかせ」
初めての賃貸でお世話になった不動産屋さんは、親の紹介でした。
両親も持家を賃貸していた経験があり、彼らの指南にそって進めました。
仕事が忙しいのを言い訳に自分ではほとんど調べず、親からの情報を信頼し、結果として、ほぼ「不動産業者におまかせ」状態でした。
不動産業者に入居者を探してもらうためには、彼らに仕事(媒介)を依頼・契約する必要があります。
媒介契約には、一般媒介契約・専任媒介契約・専属媒介契約の3種類があります。
*「賃貸には専任媒介はない」という説もありました。
3つの媒介契約は、「早く決まる」という親の勧めのまま専属専任媒介を選びました。
家賃は「この辺の相場はこのくらい」という不動産業者の提案に、
「プロが相場だというなら。まぁ、このくらいあれば次のところを借りてもやりくりできるか」
と決定。
初めての賃貸でしたから「賃貸管理」もお願いしました。
2回目の募集は、「一般媒介」「自主管理」にした理由
入居から7年が過ぎた頃、入居者さんが退去するというお知らせを受け取りました。
お子さんが2人になって手狭になったので、お近くに住み替えとのこと。
この時点で、これまで担当していた不動産屋さんには、
「次回の募集は一般媒介」
「賃貸管理についても再考したいので、一旦白紙に」
という旨を伝えていました。
理由は、この7年間を通して、「管理委託」をお願いする必要性に疑問が生じたためです。
賃貸しているマンションには、通いではありますが管理人さんがいます。
ゴミ出しや清掃のスケジュール、防災点検などのお知らせは、掲示板に貼り出され、疑問があれば管理人さんに訊ねることができます。
また、管理組合で予算を組んで、水漏れ、トイレ詰まり、玄関鍵の紛失などの「トラブル駆けつけサービス」に入っています。
簡単な修理や調整ですむものは、居住者は24時間いつでも無料で利用できます。
一次対応で対処できなかったものについては、見積もりを出してもらって対応となり、この時点でようやく「管理担当者の出番」となります。
つまり、マンション共用部の日常の雑事や、緊急時のトラブルについては、ひとまず対応できているわけです。
それ以外では、「居住者さんから宅配ロッカーのカードを紛失したという連絡があったのですが、どうしましょうか」と不動産業者の担当者から連絡があったこともあります。
でも、不動産屋の担当さんは間に入って伝言しているだけ。
「新しいものを取り寄せましょう。お代は居住者さん負担で」指示して発注するのは私。
ご近所だったので、新しく届いたカード(オーナーとのやり取り限定)は買い物ついでポストに入れました。
もちろん、担当さんは「私が取りに行きます」とは言ってくれますが、近所ですから、たいした手間ではありませんし、直接やったほうが早い。
賃貸管理委託料として家賃の5%をお支払いしているのですが、なんだか安心料といった気配。それだけの対価の仕事をしてもらっているのか、と疑問に思うような対応もあったり、さらには、安心というより不信感を抱かざるを得ないこともあったり(これらは別の回で書きます)。
家族や友人(不動産業者)に相談したところ、「そういうこと(1室だけの賃貸・近くに住んでいる)なら自主管理でまったく問題ないし、できる」とのこと。
次の入居者からは自主管理でやってみよう、と決めたのでした。
不動産屋さん3社にお願い→2社で一般媒介
そんなわけで、2回目の募集は、3社にお声掛けしました。
お願いする際に、
・分譲マンションで、通いの管理人がいる
・「トラブル対応サービス」にも加入している
と告げ、
「ひとまず管理委託は考えていませんが、媒介だけでお願いすることはできますか?」
と初めに聞いてお願いしました。
B社とC社は、「媒介だけでも大丈夫ですよ」と受けてくれました。
賃貸当初からお世話になっていたA社は、こちらが「一般媒介&自主管理」の意思を告げ、また退去の際の現状回復リフォームについていろいろ確認するうちに、「実は、ウチは賃貸はもうやっていなくて……」と「退去立会い業務」とやらをした後でしたが、原状回復リフォームの手配も含めて降りることに(この辺は別の回で)。
結局、2社でお世話になることにしました。
契約書でヒヤリ。不動産業界の洗礼?を受ける
C社は、学生時代の友人がほぼ1人(事務員さんはいるようです)で営んでいる会社。
友人の気やすさもあり、メインはラインでのやり取りで、結果として契約書も交わさず。
良くも悪くもフランクに進みました。
一方、親族がお世話になっていたB社は、高級賃貸住宅専門を謳った会社でした。
私が賃貸するマンションは高級というわけではないのですが、紹介もあってか、立地がよかったのか、それとも依頼があれば受けるものなのか、お世話になることに。
家賃や募集条件などを決めたあと、B社からは、さっそく「賃貸住宅媒介契約書」なるものが届きました。
物件名や募集条件・建物情報など、あらかじめ決めたものは先方で記載されておりました。
こちらの氏名・住所・賃料口座などを記入し、署名捺印して返送するように返信用封筒が同封されています。
複写式で4枚の書類になっており、記入箇所には丁寧に付箋がはられ鉛筆で丸囲みがされています。
付箋の箇所をみて「おや?」と思った私は、同封された案内文も確認。
そこには、挨拶文に続き、以下のように書かれていました。
下記書類を送付いたしますので、丸箇所にご署名ご捺印後にご返送くださいましたら幸甚です。今後とも…
記
・媒介契約書および管理申込書・・・1部(2枚目4枚目をご返送下さい。)
・返信用封筒以上
そう、この書類は複写式になっていて、1・2枚目の「賃貸住宅媒介契約書」を書くと、3・4枚目の「管理委託申込書」に自動で書き込まれるようになっていたのです。
もし私が担当者を信頼して、契約書をよく読まずに素直に丸で囲まれたところに記入し、言われるままに署名捺印して返送していたら、
希望していない管理委託契約を結ぶはめになっていた、
ということでしょうか(うーん)。
早速、メールで確認を入れました。
お世話になります。
さきほどレターパックいただきました。
いくつかご確認です。
(中略)■管理委託申込書もついておりました。
まずは、仲介だけでお願いしたい旨お伝えしていたと思うのですが。。。
こちらは、媒介契約書のみ返送でよろしいでしょうか?
……
こちらの確認にたいして、先方からは、
■管理申込書
本件、ご放念頂いて問題ございません。
との回答。
「間違えました」でも、「失礼いたしました」でもなく、「問題ございません」としれっと回答されていました。
B社の担当者の物腰は穏やかだけれど、笑っていない目を思い出し、
「これは、気を引き締めていかないとダメってことね」
と肝に銘じたきっかけでした。
☑️ 複写式の書類に要注意!
☑️ 不動産業者に「伝えたはず」は通用しない
☑️ 署名・ハンコは、よくよく内容を読んでから
次回は、家賃の決め方についてお話しようと思います。
文/鴨庭ナラン
東京23区内の分譲マンション(2LDK)1室を賃貸している「ぼちぼち大家」8年目(入居者は2世帯目)。毎年の確定申告は、『超シンプルな青色申告、教えてもらいました!』の簡単仕訳帳を利用中。
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