【簿記3級合格】凡人が独学3か月で受かった方法

働き方の多様性が進む昨今。転職するにせよ、副業やフリーランスで稼ぐにせよ、大事なのは必要な仕事のスキル。そんな中で「事業運営の考え方の基礎が身につく」「スキルアップの足掛かりになる」といった利点から、改めて注目されているのが”お金のイロハ“にあたる簿記3級です。取得しやすい資格と思われていますが、実は合格率は40%ほど。勉強して臨んだ人でも受かる確率は半分以下で、「〇回落ちた…」という声もよく聞かれる”なめたらあかん資格”です。アラフィフで初めて資格の勉強をした筆者が「合格と不合格の壁」と「凡人が最短&最安で受かる方法」教えます! 
注)ネット試験での受験を想定した記事です。

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「暗算苦手・電卓ビギナー・凡ミス連発・ずぼら」な人へ

この記事で紹介するのは、以下のような人ができるだけ無駄なく安価に簿記3級をとるための方法です。

○ 計算や暗算は苦手
○ 電卓って打ち間違えるものよね?
○ 0の数え違いなどケアレスミス多い
○ 計算なんてExcelとかソフトがしてくれるでしょ、というずぼら効率派さん

こんな人(私です)向けの勉強法です。
ちなみに、私は、アラフィフにして初の資格試験に挑んだのが簿記3級。
試験勉強なんて大学受験以来のこと(就職試験はマスコミで作文対策くらいでした)。

「簿記3級、取ってみるか~」と軽い気持ちではじめましたが(経緯はこちら)、
簿記3級、こんな性質の私には「なめたらあかん子」でした。
正直、途中で電卓を投げ出したくなる勉強でした。

「計算なんか、Excelがしてくれるんだから、簿記の考え方だけわかってれば合格させてくれたらいいじゃん、ねぇ?」
と息子たちに愚痴りましたよ(迷惑がられました)。

「なるべく早く、この勉強を終わらせたい!」という気持ちを燃料に、2回の不合格を経て、なんとか3カ月で合格できました。
経緯は以下のような感じです。

1回目(11/24)勉強2カ月後に受験 → 不合格(50点)
第2問は対策せず。仕訳はバッチリ。決算関連は理解したつもり

2回目(12/17)その3週後に受験 → 不合格(65点)
ここでようやく「このままじゃ受からん」と気づいて対策(←ココ大事)

3回目(12/22)1週間後に受験 → 20点アップして合格(85点)

正直にいうと、2回目までは、
「この程度やれば受かるだろう~」となめてました
「凡人だけど、バカじゃないし、理解はしたから…」
という根拠なき楽観による詰めの甘さです。

そんな凡人(かつ楽天家でうっかり者)の失敗を、どうぞみなさんは繰り返さないよう、参考にしていただけたらと思います。

ちなみに、以下のような方には、この記事は無用です。

× 「読んだものは一度で理解、応用もできます」な天才さん
× 「テスト得意。勉強法、勘どころ、時間配分、自分で分かります!」な秀才さん
× 「計算はまかせて!」な数字に強い人
× 「細かい作業、集中してできるよ!」な集中力ある人

ご自身のやり方、または、「簿記3級、1週間(1か月)で一発合格!」などのできる人向けの記事をどうぞ。

簿記3級に落ちる人ができていない、3つのこと

簿記3級を受かるために必要なのは、

本番レベルの問題を、
時間内に、
ミスをせず解くこと

当たり前のことですが、この当たり前の3つのことを忘れそうになるワナに、楽観的な凡人学習者(私です)は足をとられて不合格になる、というのが3回受けた実感です。

そのワナに落ちる理由は、

ネットで手に入る無料教材が充実しているため。

・無料で試聴できる動画や講義
・無料で使える仕訳問題アプリ
・無料でダウンロードできるテキスト・問題集
・無料で受けられるネット模試

昨今は、これらが無料で何度でも見放題、解き放題、受け放題。

「簿記」という特殊な実学を理解、実践するための試験に必要なことを一通り学習できるようになっています。
無料で、ですよ。
なんていい時代なんでしょう。

ただ、これは、メリットでもあるのですが、「無料教材だけで簿記3級合格できる気になってしまうという意味では、凡人にはデメリットです(天才さんは実際できるし、秀才さんは足りない部分に気づいて補う周到さがあります)。

誤解のないように強調したいのですが、無料の教材は使い倒すべきです。
ただし、「無料の教材だけでは(凡人は)合格しにくい」というのが、2回目の不合格で私が気づいたことでした。

というのも、無料教材の多くが基礎レベルの問題
基礎固めには最適ですが、本番では応用問題が出題されます。

実際、私の試験結果は、簿記の基本である仕訳が出題される第1問は、1回目、2回目の時点でどちらも満点でした。無料教材のお陰で基礎はしっかり身についていたといっていいでしょう。

でも、第3問では、これまで解いてきたものとは違う複数の条件が加わった問題が出題されたんです。
シンプルな基本問題だけやっていた私は、
「こんな面倒くさい問題、出るんかーい!」
と急に出てきた複雑な問題に慌ててしまいました。

2回目の受験終了後、不合格の結果を受けとった私は、その足で書店に直行、「本番レベルの問題」「第2問の出題範囲も含めた問題」が掲載されている問題集(ネット模試付)を購入。
先にも上げた、以下の3つを意識して勉強。

本番レベルの問題を、
時間内に、
ミスをせず解くこと

その結果、翌週、3回目でようやく合格することができたのです。

簿記3級、凡人が独学&最安で受かるために使った教材

実際に、私が使った教材でオススメできるのは、以下のものです。

① ふくしままさゆきさんの動画
 【基本・全体理解】

② 簿記3級 仕訳問題アプリ
 【基本・仕訳問題対策】

③ CPAラーニング など
 【基本・実践問題&オンライン試験対策】

④『簿記教科書 パブロフ流でみんな合格 日商簿記3級 総仕上げ問題集
 【応用・本番対策】

⑤ Net-Schoolなどの無料オンライン模試
 オンライン試験対策

これで合格できました。
①~③は無料、④は1,650円(税込)。
以下、それぞれの活用法を紹介します。

① ふくしままさゆきさんの無料動画  【基礎】サクッと全体理解

まず、はじめにやったのはこちらの視聴。
簿記ユーチューバーのふくしままさゆきさんの人気動画です。

簿記の基本と全体像を理解するのに、とてもよいです。
問題を解くためのヤレ紙(ノート)を用意して、実際に解きながらやりました。
3週すると、初めは「……は?」と思っていた、決算振替仕訳などもできるようになります。

ただし、この動画を見て問題を解くだけでは、凡人は簿記3級に受かることはできません

この動画で、簿記の全体を理解し、仕訳ができるようにはなります。
でも、実際の試験に受かるためには、試験の形式に慣れて、本番レベルの問題を時間内にミスなく解く必要があります。
その練習は、この動画以外(②③④)でする必要があります。

💀注意💀 
 凡人は、この動画だけでは受かりません
 → 実際に、手を動かして問題集(ふくしまさんのkindle以外)を解こう!

② 簿記3級 仕訳問題アプリ(無料)  【基礎】日々のルーティン

仕訳の練習は、スマホの無料アプリを使わない手はありません。
通勤・通学電車で、家事の合間に、お風呂に入りながら…などすき間時間でできるのが助かるところ。

いろいろ使いましたが、私が最後まで使ったのはこちら。⇩

「簿記3級 無料」で検索すると出てきます。
問題量、使いやすさでこれがイチオシです。

進捗状況が確認できますので、コツコツ進めて、まずはすべての問題で正解することを目指します。
間違った問題もすべてクリアしたら、その後は、苦手な分野だけ限定して復習するのもオススメ。
あとは、偏りをつくらないよう、ランダム出題を日々のルーティンにします。

毎日やって「仕訳は反射でできる」くらいになれるとよいです。
私は、試験直前まで活用しました。

ただし、仕訳問題で点が稼げるのは、第1問(45点)のみ。
仕訳が完璧でも、試験には受かりませんので全体理解は必須です。

💀注意💀 
 仕訳ができるだけでは試験には受からない
 → 補助簿、決算書、精算書などの理解も必須

③ CPAラーニング(無料)他  【基礎】問題集&ネット模試でテスト慣れ

実際の試験形式に慣れるために活用したのは、こちらの無料サービス。

CPAラーニング

このサイトで簿記3級に受かるための基本は、すべて身につきます。
ふくしま先生の動画では足りない部分に触れられます。
具体的には、以下ようなこと。

・実際の試験形式の問題を解く(特に第2問、第3問)
オンライン試験を経験する(模試)

CPAラーニングの日商簿記3級のコースで、

・教科書
・問題集
・オンライン講義
・ネット試験対策講義
・ネット模試(3回分)

これらがすべて無料で、何度でも、使えます

日商簿記3級のコース。

オンライン講義、教科書、問題集がすべて無料です。

教科書・問題集はダウンロード、印刷もできる。

ネット試験(3回分)は、解説動画つき。

本番とほぼ同じ仕様で受験体験ができます。

オススメの使い方

問題集を解きまくる
・間違ったところを解説や教科書・講義で復習
ネット試験対策講義を見る
ネット模試にトライ

ネット模試の解説動画を見て解き直し

基本から実践まで、手取り足取りのすばらしい無料サービスです。
これだけフルコースでやったら大丈夫だろう、と本番に臨みました。

が! 私はこちらだけでは受かりませんでした。
人によって、場合によっては受かることもあると思います。
私もあと2つ正解なら受かっていた点数(65点)。
実際、万全じゃないけど「運が良ければいけるかも…」という手応えでした。

しかし、結果は不合格。

もう、これ以上勉強したくなかった私は、ここでようやく確実に受かるための対策をする腹を決めたのです(遅いって)。

💀注意💀 
 凡人は、この教材だけでは受かりづらい
 → 本番レベルの問題(特に第3問)を時間内に解く練習が必要!

④『簿記教科書 パブロフ流でみんな合格 日商簿記3級 総仕上げ問題集』 【応用】時間内に本番レベルの問題を解く練習

「簿記3級の内容は理解できているつもりなのに、なかなか合格できない……」
「60点は行くのだけど、あとちょっとでいつも落ちる……」

そんな人が合格するために必要なのが以下の3つ(大事なことは何度でも)。

本番レベルの問題を、
時間内に、
ミスをせず解くこと

2回目の受験(不合格)終了後に、書店へ向かい、購入したのがこちらです。⇩

これ以外でもよいと思います。
大事なのは、本番レベルの問題と模試がついていること。
第3問によく出題される精算表、損益計算表と貸借対照表の問題に、本番レベルの難易度の問題があることを確認してください。

「どれが本番レベルかなんてわからないよー」という人はとりあえずこちら⇧をどうぞ。

この本には、本番レベルの問題がある以外にも以下ようなメリットがあります。

○解き方の下書きが例で載っている
目標タイムがある
模試が筆記で3回分、オンラインで2回分ある

○解き方の下書きがある
→ 問題をきちんと理解できる。本番の練習になる

本番の試験でも、メモ用の白紙(A4)2枚を渡されます。
ここに書く練習になりますし、何より問題をきちんと理解するために有効です。

実は、私はノートやメモを取るのが嫌い(苦手)。
書く時間はロスになる、と思っていましたが、この本で下書きの取り方を参考にしたことは、理解の向上、そしてミスを減らすことにつながりました

とはいえ、書くのはやっぱり苦手なので、自分流に省略して分量は減らしました。
全部ていねいに書いていたら、私の場合、本番では間に合わなかったと思います。

一度は時間を気にせずしっかり書いてみて、その上で自分なりに効率のいい下書きができると最良です。

○目標タイムがある
→ 本番を意識したスピードと集中力がつく

問題ごとに目標タイムが書かれています。

簿記3級のネット試験は、60分の時間勝負。
見直す時間はないつもりで、1問1問集中して速く解く必要があります。
時間を意識しつつ、とにかく問題を解いて慣れること。

ストップウォッチで時間を計ったり、タイマーをかけたりしながら解きました。
時間内におさまらない、間違えたなどは、できるまで繰り返し解きます。

模試が筆記で3回分、オンラインで2回分ある
→ 本番のパソコン操作に慣れる

本番の時間配分に慣れるために、模試は必須です。
また、オンラインではパソコンの操作に慣れることがポイント。

そして、間違えた問題を解説を読み、理解して、時間を空けて再トライ。

この問題集が、時間内に解けるようになれば、合格レベルに達しています。

注意したいのは、この本は簿記の基礎わかっている人向けということ。
タイトルの通り「総仕上げ」用です。

💀注意💀 
パブロフ流でみんな合格 日商簿記3級 総仕上げ文字通り総仕上げ用
 → 簿記3級の基本を身につけてからチャレンジしよう!


⑤ Net-Schoolなど無料ネット模試  【ネット試験対策】本番のパソコン操作に慣れよう!

受験をん十年前に経験した、アナログ世代には、パソコンでの試験って慣れないと緊張するもの。
本番で慌てないために、できるだけたくさん経験して慣れておくとよいです。
以下のような、無料のネット模試も公開されています。

Net-School

こちらは、紙の試験の模試のほかに、ネット試験無料プログラム(3回分)も。

回を追うごとに、難易度が上がった印象です。

また、無料ではありませんが、書籍を購入すると特典でオンライン模試がついてくるものも。
資格スクール大手のTACも、出版物を買うとネット模試が受けられる特典をつけていました。

こちらの書籍は一番人気でしたが、書籍の中の問題集自体は基本問題メイン。
ところがネット模試は、難易度高めだった記憶。
「この問題集だけやってネット模試に臨んだ凡人は、この問題解けないのでは?」
問題集とネット模試のギャップに驚いた記憶があります。
(つまり、この問題集これだけやっていても受かりづらいと思います)

その他、探してみると意外と無料で公開している模試などあると思います。

オススメはネット試験。「一発合格」でなくてOK

簿記3級は、統一模試(紙の試験)のほか、パソコンを使ってオンライン上で受けるネット試験があり、私は後者のネット試験を3回とも利用しました。

ネット試験のメリットは、以下の通り。

受験機会が多い(日程・会場が多い ※統一試験は年3回)
・合否結果がその場でわかる

試験時間(簿記3級は60分)、受験料(2,850円)などは一緒です。

ネット試験のデメリットは、パソコンの操作に慣れていないと不利、ということ。
この記事を検索して読んでいる人なら問題ないかもしれませんが、
「スマホは使うけどパソコンはちょっと…」
という人は、ネット模試などで慣れておくことをオススメします。

一発合格できれば、それに越したことはありませんが、ネット模試は受験機会が多く、比較的安価なので、①~⑤まで一通りこなしたら、あまり気負わずに受けてみるとよいでしょう。
「落ちてもまた受ければいい」くらいの気持ちのほうが緊張しすぎず、すんなり受かるかもしれません。
また、落ちたとしても経験値が上がります。

経験に勝る学びはないと思います。
もし、受からなくても、そこで気づいたことを対策すれば、必ず次につながります!
(2回落ちた私が保証します!)

もちろん、何も対策せずに受験だけ繰り返すのはムダですが、トライ&エラーを繰り返すほど、対策情報は得られます。
早く受かりたい人ほど、課題を克服したら、すぐ受験したほうが良いと個人的には思います。

このほか、「ずぼらさん、うっかりさん、のケアレスミス対策」は、こちらをどうぞ。

詰めの甘い私の失敗が、みなさんの参考になれば何よりです。

また、私は、資格取得を急ぐ必要もなかったため、お金をかけずに独学で受かることにこだわりましたが、最短での合格を目指すなら、受講料を払ってプロに教わるのが効率的だと思います。

文/中山圭子
書籍の企画・編集・ライティングが本業。新刊は『超シンプルな節税と申告、教えてもらいました!』中野裕哲氏との共著。その他、フリーランスの青色申告お助け本『超シンプルな青色申告、教えてもらいました!』も好評、重版出来。


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