東京チャリさんぽ旅① 多摩川台古墳群・亀甲山古墳

「東京の都心エリアから自転車で気軽に小旅行」がコンセプトの東京チャリさんぽ旅。連載1回目は、多摩川沿いの高台で悠久のときを感じてきました。
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 🚲今回のチャリさんぽ旅情報🚲

🚩 目的地
 多摩川台古墳群・亀甲山古墳多摩川台公園

♨️ 立ち寄り処
 明神湯(銭湯)

🕒 チャリさんぽ時間
 14時(出発)〜20時(帰宅)

👣 移動距離
 約12.5km ✖️ 往復 ➕ 園内散策 ➕ 明神湯まで(2.6km)

持ち物&お役立ちグッズ

今回の持ち物はこちら。

・リュック
・ゴアテックスのウエア
・帽子&サングラス
・水筒
・本
・お風呂グッズ(洗面道具&タオル)
・財布
・エコバッグ

夏日も観測されたGW。
昼はTシャツでもOKですが陽がが沈むと一気に冷え込みます。
自転車走行中は風で体温も奪われるので、雨具も兼ねて防水のウエアを持参。

日中は陽射しが強く、夏並みの暑さで、帽子とサングラスのほかに活躍したのがこちら。


Tシャツの下にこちらを着用。
もともとは、テニス用に購入したのですが、日焼け対策にバッチリ、かつ暑くもならず、夏に向かうこれからのシーズン活躍してくれそうです。

ルート&自転車ロード事情

今回のチャリさんぽ旅の大きな通りのルートは以下の通り。

🚲今回のチャリさんぽルート🚲

Home → 山手通り(都道317号)→ 玉川通り(国道246号)→自由道り(都道426号)→ 駒沢通り(都道416号)→ 環八通り(都道311号)→ 🚩多摩川台公園

走りはじめの大通りは、山手通り。

拡張工事が進み、歩道に自転車レーンがあります。
安心して走りやすい♪

空が広く感じる「東大裏」の交差点。

自転車レーンがある幅広歩道は松濤のあたりで終了
その先は、通常の歩道になりますので、歩行者に気をつけて走行。
もしくは車道の自転車レーンで進みます。

神泉町」の交差点で右折、玉川通りに入ります。

目黒川」を超えます。
川の上も建物がないから空がひらけていてナイスビュー。
川沿いには桜の木が連なり、シーズンには人で賑わうようです。

自由道り駒沢通り環八通りでは、
人がいない or 少なければ歩道を、
人が多ければ車道の自転車レーンを走ります。

田園調布あたりの道。
見晴らしのよいアップダウン。

道沿いにある小さな公園を発見(大田区立宝来公園)。
園内を自転車を押して寄り道します。
池の端では、黄菖蒲きしょうぶが満開でした。

こんなふうに気軽に寄り道したり、あちこち停まって撮影したりできるのも、チャリさんぽ旅の良いところ。

注意点としては、
寄り道のほか、地図を確認したり迷ったり……という時間も考慮すること。
目的地までの到着には、グーグルマップの推定時間の倍はかかるつもりでいたほうがよいです。

魅力① 高台からの爽快ビュー

多摩川台公園は、多摩川に沿って伸びる丘陵地に整備された公園です。
緑豊かな園内は高台に位置しているため、見晴らしがすばらしいのが最大の魅力でしょうか。

緑の間からタワマンを望みながら、園中央部にある見晴らし台へ進むと、

多摩川を見下ろす爽快ビューがひらけます。
ここでの眺めは、多摩川八景の一つに選定されています。

大田区田園調布の多摩川台公園から眺める多摩川は、大河としての風格を示しています。
公園内に設けられた見晴台からは、多摩川はもとより、晴れた日には遠く丹沢や箱根連山、富士の姿も眺望でき、他の地域では見られない雄大な風景です。
多摩川台公園は、多摩川左岸の丘陵上に600mに渡り続く帯状の公園で、豊かな雑木林には野鳥も多く生息しています。

多摩川八景

見晴らし台にはベンチもたくさんあります。
私もここで休憩。
初夏の爽やかな風の中しばし読書を楽しみました。

魅力② 悠久の時間を感じる遺跡スポット

今回の目的地にここを選んだのは古墳があるからです。
古代に思いを馳せることは、悠久のときを感じること。
スケールの大きなものを見たり感じたりすると、知らない間に囚われていた小さなことから解放されて、なんだかスッキリ!ってこと、ありませんか?

というわけで、古代を偲ぶ手っ取り早い方法は遺跡巡り。
なかでも丘陵を築いて土地や自然と一体化している古墳は、悠久のときを感じる最高のスポットだと思うのです。

この公園は幾つかの古墳の上に作られていて、遺跡公園としては都内最大の規模を誇っています。
中でも、下流寄りに位置する亀甲山(かめのこやま)古墳は、ほぼ完全な姿を残す前方後円墳として有名で、国の史跡にも指定されています。 この地に古墳が多いのは、多摩川の眺めの素晴らしさが霊を祭るのにふさわしいからかもしれません。

多摩川八景

多摩川台公園にある古墳は、北から、宝莱山古墳多摩川台古墳群(1〜8号)、亀甲山古墳

宝莱山古墳

公園内の北端にある古墳。
1934年に宅地造成の土取りで後円部分から埋葬施設が露出、副葬品が出土したそうです。

築造時期は古墳時代中期の4世紀末葉頃[1](または古墳時代前期の4世紀前半頃[4])と推定され、亀甲山古墳に先立つ築造に位置づけられるほか[1]多摩川下流域では最初の首長墓に位置づけられる[4]

ウイキペディア

このエリアでの“古墳のはしり”みたいです。

鬱蒼とした樹々に守られていて、古墳といわれないとわかりません。
GW中日の平日でしたが、ちらほらながら訪れる人が絶えませんでした。

古墳の上へ上がる通路が整備されています。

通路以外は立ち入り禁止。
鳥の落とし種でしょうか、夏みかんの実がたわわに生っていました。

石畳の階段で整備されていました。
地元の人たちのお散歩コースにもなっているようです。

多摩川台古墳群

宝莱山古墳から自由広場を抜けていくと、いくつもの小さな古墳が連なる多摩川台古墳群。
北から進むと8号墳からはじまり1号墳へと続きます。

ほとんどが円墳で6〜7世紀に築造。

「◯号墳」という控えめな表示板があります。
なければ、フツーの雑木林、といった風情。

天に向かってのびのび生える赤松(たぶん)。

亀甲山かめのこやま古墳

多摩川台古墳群を含む荏原台古墳群、また南武蔵地域・多摩川流域で最大規模の古墳だそうです。
形状は、宝莱山古墳と同じく前方後円墳。
金網で囲まれ保全され、古墳の中には立ち入りできません。

空から眺めると、おお、たしかに前方後円墳ですね。
※画像は「全国こども考古学教室」サイトより

多摩川台公園古墳展示室

亀甲山古墳の近く、公園入り口付近にある展示室です。

古墳のジオラマや古墳からの出土品(レプリカ)などが展示されています。
古墳群について、『日本書紀』にある「武蔵国造の乱」と関連づけた説明などもわかりやすく図解されています。

ざっくりいうと、
武蔵野の国で揉め事があって、形勢が危ういと思った笠原使主(かさはらのあたい おみ、おぬし)が京に逃げて朝廷にいいつけ味方をしてもらった結果、勝った、
みたいな話と解釈。
「歴史は勝者のもの」と言われますが、負けた小杵(おき・おぎ)は「性格が悪い」とか書かれちゃってます。実際はどうだったのかしらん。

学校で習ってきたのは、京都や江戸など、御所や幕府といった権力の所在地が中心の歴史。
教科書視点だと忘れがちですが、大昔からあらゆるところで人は生活しているのよね、と気づかされます。

多摩川台公園古墳展示室

入室料  無料
開館時間 9:00〜16:30(入室は16:00)
休館日  毎週月曜日(祝日の場合は開室)
     年末年始(12月29日〜1月3日)

上記が開室時間だったと後で知りました。
私が入ったのは、16時を過ぎており出たのは16時半をずいぶん過ぎていたと思います。
一度、係の人が見にこられたのですが、思えばそれが16時半だったのでしょう。
ですが、急かされることもなく、挨拶をして建物を出たところ、係の人が終了の看板を出して戸締りされていました。
ゆっくり見せていただいて感謝です。

こちらのサイトで展示室内部をくわしく紹介されています。

古墳と関連施設のほかに、海南亭と呼ばれる、石造りの東家もありました。
「海南」は、終戦時、内閣情報局総裁をつとめた政府要人の下村宏氏の歌人としての号だそう。
氏は、初代国立公園審議会の要職にあるとき当局に掛け合い、古墳丘であるため手付かずだった多摩川台を公立公園とする許可を取り付け開園にいたったそうです。

氏と東急グループの創始者である後藤慶太氏で、この地の未来を語り合ったそうで、
「政治家とディベロッパーのつながりね」
なんて浮世の沙汰に思いを馳せながらも、
「いやいや、いま多摩川台公園を楽しめるのは、彼らのおかげなのね。ところで、下村さんってどんな人なのかしらん……」
とネットで調べてみたところ、現代にあっては炎上必須の思想も見つかったり。
こんなところでも、時代の流れを感じました。

魅力③ 四季折々の自然散策

多摩川台公園といえば、以前、春に訪れたことがありました。
多摩川を見晴らしながら、約300本の桜も楽しめるとあって、いずこの桜の名所と同じく、お弁当や缶ビール・カップ酒を片手に人々が大盛況でした(もちろん私もその一人です)。

画像:大田区HP

今回は、お花見の賑わいは、見る影もなく落ち着いた五月初め。
新緑が美しい季節です。

もみじの新緑は、秋の彩りとはちがった爽やかな息吹を感じます。

あじさいの名所でもあります。
蕾がスタンバイ。
来月にはあじさい祭りがはじまります。

画像:大田区HP

こちらはの水生植物園では、ザリガニ釣りに高じている親子が何組か。

その昔、井の頭公園でスルメで釣ったっけ。
同じ水槽に入れておくと、一匹減り、二匹減り……の生き残りをかけた戦いが繰り広げられてこわかったなぁ。

埋もれて久しい記憶が沼の臭いととともに浮かびあがりました。

魅力④ 自転車を押して通り抜けOK(乗り入れは禁止)

多摩川台公園は、南北に長い公園。
今回は北端に近い入り口から入り、南端に抜けました。
公園内は、自転車の乗り入れは禁止です。
降りて押して歩きます。

ちょっと見にくいですが、赤の点線で記されたコースが車椅子がOKなコースです。
丘陵の公園なので階段があちこちにありますが、階段を避けてスロープを選びながら行き来ができるように配慮されています。
本来は、ベビーカーや車椅子のためのコースです。
桜やあじさいのシーズンなど、混雑時は避けましょう

北端の門は通り抜けできません

最北端の門は通り抜けはできませんので注意。

北から2番目の入り口から入ります。

↑こちらの入り口から入りました。

宝莱山古墳方面から亀甲山古墳方面へは虹橋が架けられています。

階段とスロープが並走していて立体的。
なんとなくエッシャーの騙し絵とか、安野光雅さんの絵本(懐かしい)が思い出されます(私だけ?)。

立ち寄り湯

古墳&園内散策を楽しんだ後は、グーグルで「銭湯」と検索、近隣の銭湯の中から選んだのは、こちらの「明神湯」。

明神湯
※写真は、湯上がりに撮ったので電灯がついてますね。

関東の銭湯に特徴的な宮造りの社寺風銭湯。
創業昭和32年当時の姿のままで、ドラマなど映像作品の撮影にもよく使われるそうです。

番台を抜け、ロッカーに荷物と衣類を入れたら、タオルを持っていざ浴場へ!
……シャワーで体を流していたら、女将さんが慌ててやってきて、

「シャンプー、石鹸ある? ウチ、置いてないから……。お伝えしなくてごめんなさいね」

といって、私物の石鹸とシャンプー(メリット)を貸してくれました。
確かに、備付のシャンプー等は見当たらないなぁと思っていたけれど、なければないで「五木寛之式養生法でもオッケー♪」と思っていた私。
恐縮して、いつもより念入りに洗いました。

その佇まいから推して知るべき、お湯は江戸っ子の期待を裏切らない熱めの湯でした。

疲れと汗とほこりをさっぱり流し、銭湯を出てすぐの川沿いの道を通って一路帰路へ。
12kmの道のりは、帰りは寄り道せずにぐんぐん走りました。
帰宅時には、とっぷり暮れてました。
次回の銭湯は、もう少し家の近くにしてもよいかも。

文/中山圭子
書籍の企画・編集・ライティングが主な生業。『超シンプルな節税と申告、教えてもらいました!』、『超シンプルな青色申告、教えてもらいました!』など、フリーランスの実務のお助け本の共著あり。

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